皆さん【障害者トライアル雇用制度】というものを聞いたことがあるでしょうか?
この制度は、障害者雇用で働くための制度一つで、利用前に必ずハローワークからの説明がありますが聞きなれないので抵抗感がある方も
さらに窓口の担当者によっては、とても簡単な説明で終わってしまうため、使った方でもよくわからないといった方もいらっしゃいます。
また制度的にはどちらかというと会社向けに作られているため、働く側のメリットが感じにくいです。
なので今回は働く方にとってのメリットも含めて、トライアル雇用制度を解説していきます。
障害者トライアル雇用制度とは
まず結論として、トライアル雇用を使うことでのデメリットはほぼないです。
メリット、デメリットの前にまずは【障害者トライアル雇用制度】の内容を解説していきましょう。
【トライアル雇用】を一言で表すなら【試用期間】
トライアル雇用制度とは、3~6ヶ月間実際に働いてみる中で、適性を見極めることができる制度です。
この間は職場体験ではないため、出されている求人に沿って給与は支払われます。
トライアル雇用の期間は障害者種別で決まる
トライアルの期間は障害の種類によって決められており
- 身体、知的障害の方は3ヶ月間
- 精神障害の方は6ヶ月間
とされています。
障害の程度は期間に影響があることはありません。
トライアル期間中の契約は有期雇用になる
この制度を利用している期間は【有期雇用】という働き方です。
最初から期限を決めて働くことになるため、期間終了と同時に雇用契約が切れてしまいます。そのため雇用を続ける場合は、新たに契約する必要があります。
次の契約から【本採用】として認められることになります。
トライアル雇用制度と試用期間大きな違いは助成金の有無
ここまで聞くと、「試用期間」と呼ばれる期間と似ていると思われるかもしれませんが、雇用の仕組み自体は、試用期間とほぼ一緒だと思ってもらって構いません。
唯一試用期間との大きな差は、企業に助成金が入るという点です。
トライアル雇用で働いている期間中は、条件を満たしている企業には助成金が入り、雇用についての負担を減らすことができるようになっています。
障害者短時間トライアル雇用は別物
トライアル制度には、【障害者短時間トライアル雇用】というものもあります。
通常の障害者トライアル制度との違いは3つです。
【短時間トライアル雇用】の利用時の注意点が、雇用保険への加入はないことです。
短時間での働き方になるので、雇用保険は加入されないので注意しましょう。
トライアル雇用制度の目的はミスマッチを防ぐこと
助成金の目的は雇用の促進のためとされております。
厚生労働省が掲載しているトライアル雇用の目的を見てみましょう。
ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、就職が困難な障害者を一定期間雇用することにより、その適性や業務遂行可能性を見極め、求職者及び求人者の相互理解を促進すること等を通じて、障害者の早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。
厚生労働省HP引用
少しわかりやすくで要約をすると
ここまでトライアル雇用とは何かについてご説明をする中で、企業側は助成金をもらうというメリットはありましたが、ここからは働く側のメリットについてまとめていきましょう。
障害者トライアル雇用のメリット
働く側が感じるメリットとしては2つ
仕事・環境の見極めができる
トライアル雇用期間中は、長期で雇用をすることが目的ではなく
あくまでも業務や職場環境、人間関係などが自分に適しているのかを見極める期間です。
また期間終了前には、継続の有無についての面談も必須になっているので、合わない仕事を無理に続ける必要はありません。
ただし、逆に企業側も見極めをしているので、相互に確認をしていることを理解しておくことも重要です。
退職をする際に期間満了の扱いになる
またトライアル雇用を契約通り働いた後、退職をすることになると【期間満了】の扱いになります。
ここで退職理由について簡単に説明します。
期間満了のメリットは雇用期間の定めであること
通常退職の理由は大きく以下の3つです。
- 自己都合
体調不良や人間関係などの理由から自分から退職を伝えた際に使われるものです。 - 会社都合
会社の倒産、業務悪化などの理由から会社側から退職を告げられた際に使われます。 - 期間満了
最初から「〇年〇月〇日まで働く」と決められており、期間の終了とともに退職した際に使われます。
これらは履歴書等に使用する文言で、どちらから退職を告げたのかが分かるものとなります。
この中で、唯一【期間満了】だけは、最初から決められた期間をやり遂げた際に使われるためどんな伝え方であっても退職の理由としてマイナスな印象になりにくい退職理由になります。
トライアル雇用の期間で退職すると、この期間満了になるので転職の際には大きくプラスになる内容となります。
このようなメリットがあるトライアルですが、デメリットも見ていきましょう。
トライアル雇用のデメリット
働く側のトライアル雇用のデメリットは、企業からの見極めもされていることです。
トライアル期間終了前の面談時には、企業側から雇用継続ができないと判断されることもあります。
ただし、試用期間は多くの企業で設けられている制度なので、実質的なデメリットは少ないです。
最後にどのようにしてトライアル雇用が使われるのかを見ていきましょう
トライアル雇用の使い方
トライアル雇用を利用したいと思った時は、2つのポイントをクリアしていることが条件になります。
- トライアル雇用の求人に応募すること
- トライアル雇用の要件をクリアしていること
トライアル雇用の求人に応募すること
トライアル雇用の求人かどうかは求人票で確認が出来ます。
例としてハローワークの求人で確認をしてみましょう。
逆にいうとトライアルの記載がある求人は、企業がトライアル雇用の制度を使いたいと思っておくと良いでしょう。
トライアル雇用の要件をクリアしていること
トライアル雇用を使うためには、企業も応募者も条件を満たしている必要があります。
この条件を満たしていない場合、希望していても制度を利用することは出来ません。
条件については、ハローワークなどの職業紹介機関で「対象者確認票」と呼ばれる書類を必ず書くことになるので内容をしっかり確認しましょう。
まとめ
今回はトライアル雇用制度についてまとめました。
どうしても助成金という企業側のメリットが目立ってしまいますが、
その助成金があることで、求職者側にも雇用の可能性が増えているというメリットもあります。
メリットや意味をしっかり理解した上で活用していきましょう。
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