【障害者雇用】A型事業所の「施設外実習」と「雇用」の違いについて

企業の障がい者雇用

就労系の福祉サービスが活用している制度の【施設外就労】というものはご存じでしょうか。
企業にはメリットは多いものの、しっかり理解をしていないと気づかぬうちに納付金を払う必要があることも・・・

今回は【福祉サービスの施設外就労】の詳細や雇用との違いについてまとめていきます

この記事の概要
  • 施設外就労は雇用とは全く別物
  • 法定雇用率を気にしない企業が施設外就労をするメリットは多い
  • 法定雇用率を基準に検討することが望ましい

障害者雇用の概要

まず障害者雇用について概要をまとめていきましょう。
基本情報ですので、ご存じの方は目次から【施設外実習とは】へ飛んで頂いてかまいません。

障害者雇用とは

企業が障害者を雇用する事を「障害者雇用」と言います。

障害者雇用と認められるには、雇用した方が

  • 身体障害者手帳
  • 精神保健福祉手帳
  • 療育手帳(愛の手帳)

のいずれかを取得している必要があり、仮に病気を抱えている方でも手帳を取得していないと、障害者雇用として認められません。

雇用をする上での企業の努力義務【合理的配慮】

雇用をするにあたって企業には【障害に対しての合理的配慮】の努力義務があります。

会社が無理をしすぎない範囲で、障害のある方が働きやすい環境を作る事を合理的配慮と言います。

具体的には
  • 通院時の休暇
  • 時短勤務
  • 定期面談
  • 支援者同行
    など

努力義務なので、配慮をしないことに罰則などはありませんが、その分応募者が減ってしまうデメリットはあります。

法定雇用率

企業に定められている障害者の雇用人数の割合を【法定雇用率】と言います。

2023年5月現在では

雇用率は2.3%とされており、43.5名以上雇用している企業が対象となります。

この法定率を満たせない場合、不足人数×5万円の納付金を払う必要があります。

施設外就労とは

ではここからは就労系の福祉サービスで行われる、施設外就労についてまとめていきましょう。

就労系の福祉サービス

制度として就労系の福祉サービスは3つです。

  1. 就労移行支援事業所
  2. 就労継続支援事業所A型
  3. 就労継続支援事業所B型

これらの主な特徴はこちらになります。

障害をお持ちの方は、福祉サービスを利用し訓練をしている方もいらっしゃいます。

施設外実習

企業は上記の福祉サービスへ業務委託契約を結ぶ事で活用をします。

下記の関係図をご覧ください。

委託された福祉事業所は、企業に訪問し障害のある方と職員が業務します。

委託企業は契約した給料を施設側に支払い、利用者はサービス事業所から給料をもらう

このような福祉サービスの施設外の仕事をすることを【施設外就労】といいます。

福祉サービスは訓練の一環としてこの施設外実習を行い、利用者は作業に対しての給料を受け取ることが出来ます。

また施設外だけなく、施設に部品を持って帰ってもらい作業をしてもらう事も可能です。

施設外実習のメリット

施設外実習のメリットは多くありますが、いくつか挙げると

  • 業務請負契約なので必要に応じて発注することができる
  • 人件費や保険料の諸経費コストの削減
  • 人材管理が容易

などのメリットがあります。

特に人件費については、職員の給料は出さなくて良いので
職員をいれて3人来た場合でも、2人分の給料で作業をしてもらえます。

 



施設外就労と雇用の二つの大きな違い

法定雇用率に反映されてない事です。

法定雇用率を満たすためには自社で雇用をする必要があります。

そのため、施設外就労を利用したとしても雇用率を満たすことはできません。

結局、施設外就労と雇用どちらをしたらいいの

基本的には企業が一番に考えるのは、法定雇用率の達成です
これは「障害者雇用促進法」に定められている義務です。

施設外就労は法定雇用率満たしているもしくは対象外の企業が検討するのが望ましいです。

また

そのため、大まかな考え方としては

判断基準
  • 法定雇用率を気にしない、マンパワーが欲しい企業は施設外就労
  • 法定雇用率が足りなのであれば直接雇用

といった方向性がベターな考え方になります。

障害者の雇用に関して方向性のご不安、お悩みを解消するお手伝いをしております。ご興味のある方はこちらから

まとめ

この記事の概要
  • 施設外就労は法定雇用率を満たすことが出来ない
  • 企業が施設外就労をするメリットは多い
  • 法定雇用率の達成度を基準に判断をすることが望ましい

施設外は企業からすると安価でマンパワーの確保が出来るため利用している企業は、非常に多いです。

しかし、A型の利用者はあくまでも実践では訓練ですし、企業としても雇用にはなりません。

企業などの一般就労の支援をする私個人の立場からすると、施設外実習ばかり広まるのも考えものではあります。

あくまでも障害者雇用のファーストステップとして活用してもらえると良いかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました