【障害者雇用】雇用をするなら知っておくべき障害の基本

企業の障がい者雇用


障害者雇用を検討している会社で、障害の事を知らないまま求人を出し、雇用している企業があります。しかしそれはスポーツで例えると、選手のステータスやスペックを知らないのにスタメンを決めてしてしまうのと一緒です。

障害にはどんな特性があって、どんなことが苦手、得意なのかを知った上で適材適所に配置をする事でより長く、より力を発揮することが出来す。

今回の記事では、企業が障害者雇用を検討するために必要な障がいに関しての最低限の情報を解説していきます。

この記事の概要
  • 病気=障害ではない
  • 障害者手帳は障がいの有無を見ることが出来る
  • 身体障害の方を雇用するのは難しい

それでは行きましょう。

 



障害者雇用の概要

障害者雇用は障害者手帳を持っている方を一定人数の雇用求める制度です。
また雇用する企業は障害に対して、合理的配慮をする事で雇用の機会を減らさない事を求められています。

また一定数雇用を達成できていない企業には1人当たり月額5万円を国に納付することが義務付けられています。

対象企業や雇用率の計算など障害者雇用制度についての詳細はこちらから↓↓

こうした制度があるため企業は障害者を雇用する必要があります。
雇用する前にまずは障害について知っておきましょう。

障がいとは

障害とは病気があることを指す言葉ではなく、何らかの理由で日常生活に支障がある状態を言います。

例えば

糖尿病と診断された方がいた場合
糖尿病は病気であり、障害ではありません。
糖尿病をきっかけとした合併症での失明で日常生活に支障がきたしている状態であれば障害と言えます。

そのため、障害者求人に応募をしてくる方は、何らかの日常生活に支障がある方であると認識しておきましょう。

また人によっては身体的症状と精神的症状など複数の障害を持っていることがあります。そういった方は手帳を2つ所持していることもあるのです。

障害の種類について

障害は3つに分類分けされます。

障がいの種類
  • 身体障害
  • 知的障害
  • 精神障害

これらは医師の診断によって決められることになります。

身体障害

身体機能に何らかの障害がある状態を言います。

主に肢体不自由、聴覚障害、視覚障害、内部障害の方が該当します。

内部疾患をきっかけにペースメーカーをつけている方やストーマと呼ばれる人口肛門を付けている方も身体障害に分けられます。

内部障害はパッと見て障がいがあることが分かりにくいですが、ペースメーカーは強い磁気があると止まってしまうなど命に直結する危険性があるため、確実な配慮をするようにしましょう。

知的障害

知的機能に障害があり、物事の理解、学習機能が健常の方に比べると低いことから日常生活に支障が出る障害です。

障害の程度によっては、日常会話が難しい方や計算が苦手な方、指示などの意味を理解することが苦手な方などその方によって特性は変わってきます。

また軽度な方であれば、大学に進学している方や車の免許を取得している方もいます。

特別支援学校などを卒業している方の場合、支援学校にて作業訓練をすることもあるため、作業レベルが高い方も多くいるため、戦力として考えている企業も多数います。

精神障害

日本でもっとも多いと言われているのが精神障害です。
精神障害は大きく3つに分類分けをされます。

3つの精神障がい
  • 心の病気・・・うつ、双極性障害、気分障害、など
  • 発達障がい・・・自閉症スペクトラム、ADHDなど
  • 脳の病気・・・てんかん、高次脳機能障害など


精神障害は「うつ」などの心の病気のイメージが強いですが、発達障害やてんかんなども入ります。

特に「ADHD」「ASD」などの発達障害は有名人やインフルエンサーでも、公表する方が増えてきており注目を集めています。
事実、ADHDに関してはクリエイティブなことが非常に向いていると言われているため、納得が出来ます。

精神障がいについては分類も多いため、別記事で詳しく解説しています。

精神障害はだれでも診断される可能性があるため、今後も増えてくることが予想されます。
そのため精神障害に対してどのようにサポートができるかが雇用を進めていくためのキーポイントになってきます。

障害者手帳

障害者手帳は障害があること証明する手帳で、パスポートのように公式な証明書としても活用することも可能です。

この手帳には障害の内容などの情報が記載されており、障害者雇用として認められる方はこの障害者手帳を取得している方のみです。
障害があっても、手帳を取得していない方もいますので、採用前にしっかり確認しておくようにしましょう。

障害者手帳の区分

障がい者手帳は障害の内容によって3つに分かれています。

障がい者手帳3つの区分
  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳(愛の手帳)
  • 精神保健福祉手帳

また各手帳で等級というものがあり、障害の度合いによって定められています。
そのため手帳を見るとおおよそ障害の内容とどの程度の障がいなのか分かるようになっています

また手帳には更新する必要がある物もあります。手帳の更新を忘れてしまうと障害者雇用とは認められませんので、雇用する側も把握しておくことお勧めします。

身体障害者手帳 

身体障害者手帳は身体障害の方が取得できる手帳です。

手帳の等級は1~7級で、1級が重度、6級が軽度の等級となっています。
身体障害は症状によって基準が分けられております。

身体障害者手帳は6級から取得可能となっています。
また7級という等級もありますが手帳が取得はできません。しかし7級の障害でも複数障害の箇所がある場合は、合算されて6級と判断されるケースがあります。

例えば

1人の方が7級の視覚障害と7級の聴覚障害があった場合、二つの等級を合わせて算出するケースです。このような場合は日常生活に支障が出ることを加味して6級上がることがあります。

そのため、どのような障害なのかはしっかり見ておくようにしましょう。

手帳の更新

原則的に更新はありませんが、短期での回復を見込めるケースでは有効期限が記載されていることもあります。こうしたケースでは更新が必要となります。

療育手帳(愛の手帳)

療育手帳は主に知的障害の方と発達障害の方が取得する手帳です。
東京では手帳の呼び方が変わり「愛の手帳」と呼ばれています。

療育手帳は自治体によって等級の分け方が異なります。
A1~B2と分けられる場合と1~3級で分けられる場合です。

等級の見方としては、一番症状が軽く、上がるほど重度の認定と判断されてます。
この等級は知能検査と生活状況など総合的に判断をして決まりますが、主に知能検査でのIQによって決まります。
数値化されているため、療育手帳の等級は本人の理解度をある程度図ることができるのです。

手帳の更新

更新のタイミングは、年齢などによって違いますが、2~10年に一度です。
更新の際、再度IQを調べる知能検査行いますが、結果によっては等級が変動し手帳の消失の可能性も出てきます。

そのため企業は更新タイミングを把握しておくことと等級の変動については確認する必要があります。

精神保健福祉手帳

精神疾患、発達障害、てんかんなどの脳機能障害の方が取得できる手帳です。
等級は1~3級で他の手帳と同様に1級が重く、低くなるほど軽度です。

精神の手帳については、療育手帳とは違い数値化されているものではなく、等級を決める大きなウエイトを占めているのは医師の意見書です。
そのため医師によっては、特性の軽い方が2級など、少し重めの手帳を取得しているケースもあります。
また精神疾患の方は手帳取得後に症状に改善見られることもあるため、等級はあくまでも参考程度に考えておくことが良いでしょう。

手帳の更新

精神手帳の有効期限は2年です。
そのため2年ごとの更新となります。その際の症状の状態によっては等級が変化することもあります。

障害者雇用の方向性

これまでの経験をもとに私の考える雇用の方向性についてまとめていきます。

身体障害の採用は難しい

まず先に伝えおきたいことは、身体障害の方を対象とした募集は正直厳しいです
これまで障害者雇用をサポートしていきた中で、最も多かった希望は身体障害の方の雇用でした。
希望理由は主に障害のイメージがしやすい事と職種に対してのハードル高さが関係しています。

しかし、障害者雇用の採用市場としては狭き門です。
理由は障害の割合と身体障害の方々の求職活動の方法が関係しています。

障がいの方の割合

厚労省が出している発表では、令和3年度の有効求職者(求職活動をしている方)の割合は身体障害約113万人 知的障害約54万人 精神障害約163万人とされており、身体障害の割合は全体の40%以下です。

私の経験ので感覚としては、就職活動で支援機関、転職エージェントなどを利用している方の割合は
精神の方7割、知的の方2割、身体の方1割程度でした。

身体障害の方の求職活動

また身体障害の方のなかには、日常生活にあまり支障がない方で障害であることを言わずに就職活動をする方もいます。
そうした方含めると、上記の割合よりさらに低くなります。

そのため身体障がいの方々をピンポイントに雇用をしたいと動くにはかなりハードルが高いと言えます

精神障害の方を雇用出来るかがキーポイント

精神障害の方は年々増加傾向にあります。
ストレス社会の影響で精神疾患の方が増えているのと同時に、世間での発達障がいの理解が深まり、「大人の発達障がい」の方も増えてきていることが理由として挙げられます。

そのため、数年前よりいかに精神障害の方々を雇用できる環境が作れるかが、今後の方向性の考え方としてはおすすめです。

特別支援学校から紹介してもらうのもおすすめ

また特別支援学校などから紹介してももらうこともおすすめです。
特別支援学校では就職を想定した作業訓練を日常的に行っています。そのため軽作業のような仕事では戦力として頼っている企業も存在します。

障がい者雇用するにはサポートがあると良い

こうした方向性を決めるためには、各企業の状況などを踏まえて、検討する必要があります。
雇用の方向性や合理的配慮に関してはこれから始めようと思ってもなかなかうまく進めることが出来ません。

そのような企業向けにコンサルタントをしておりますので、ご案内いたします。

求人の切り出しから求人作成、在職中のスタッフのジョブコーチ支援など障害者雇用という制度を知ってもらうことから定着までをワンストップで行っております。

そのため、障害者雇用を初めてする企業障害者雇用に何らかのお悩みを抱えている企業を対象に
企業の方向性に合わせた雇用の方法をご提案いたします。

さらに面接に同席をしてアドバイス、助成金の申請サポートや代行など、
企業向けに障害者雇用のハードルを下げるお手伝いをさせていただきます。

契約方法はスポット、顧問両方に対応しております。

企業向けの障害者雇用コンサルタントをぜひご検討下さい。

 



まとめ

この記事の概要
  • 障害は日常生活に支障がある状態を指す言葉である
  • 障害者手帳は障がいがあることを証明するために重要な書類
  • 身体障害の方を雇用するのは難しく、
    今後は精神障がいの方を雇用を進めることがスタンダードになる

今回紹介した内容は雇用をするなら知っておくべき内容です。
どんな人材なら働けそうなのか、今の状況でどんな人材を雇用出来るのかを考える際の参考のなれば幸いです。
どんな障害であろうと戦力になる可能性を秘めた人財なので、戦略的な雇用をしていきましょう。


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