障害者雇用に関わりを持つ方なら聞いた事がある方もいる「特例子会社」ですが、そもそも何なのかを知らない方も多いと思います。
しかし求職活動をするに当たって特例子会社を知ることで、自分に合った働き方の仕事が見つかるかもしれません。
そこで今回は「特例子会社」とは何なのか、どうやって求人を探すのかなどをまとめていきます。
それではいきましょう。
特例子会社
まずは特例子会社の概要を解説していきましょう。
特例子会社とは
「特例子会社」を簡単に言うと、大企業が法定雇用率を満たすために作られた会社のことを言います。
もう少し詳しくすると
企業は働いている人数に対して、2.3%の割合で障害のある方を雇用する義務があります。
しかし大企業になると通常の働き方の中で、障害の方が働ける環境を作り続けるには限界があります。
そういった状況を回避するために企業は特例子会社を作ります。
企業はこの特例子会社という会社を新しく作ることで、2.3%の法定雇用率を満たす事が出来る様になり、さらに障害のある方も働きやすい環境で仕事をすることができるのです。
特例子会社の働き方
特例子会社の働き方を「仕事内容」、「雇用形態」、「勤務時間」に分けて見ていきましょう。
仕事内容
基本的にはグループ会社のサポートが業務がメインとなります。
グループ内で出た上記のようなサポート業務を請け負って仕事を行います。
また最近では在宅勤務も浸透してきており、業務内容によっては出社のない働き方も増えてきています。
雇用形態
雇用形態の多くは正社員又は契約社員としての雇用になります。
正社員の求人は障害者雇用では、少ないので正社員として働きたい方には貴重な求人となります。
契約社員でも社員登用の制度がある企業も多いので、正社員になるチャンスも高いです。
また、昇進できる企業もあるため頑張りや成果によっては、役職に就ける可能性もあります。
勤務時間
一般企業と比べると柔軟な勤務時間で働けます。
通常の企業では時短勤務を希望すれば、その間パート扱いになることもありますが
特例子会社では正社員のまま時短勤務が可能になります。
働き方については会社によって異なりますので、よく確認してから応募するようにしてください。
特例子会社と一般企業との違い
大きな違いは雇用されている方の多くが、障害のある方であるということです。
先程も述べた通り、障害のある方を中心に仕事をしやすい環境になっているので管理職も含め多くの社員が障害者であることが多いです。
それ以外は大きな違いはなく、社会保険、昇給、賞与など通常の正社員として変わらない働き方となります。
特例子会社の数
厚生労働省の出している資料によると、令和4年6月時点で579社の特例子会社が存在しています。
特例子会社者が一番多い都道府県は東京都で184件次いで大阪府で50件、神奈川件で48件と企業が集まる様な大きな都市がある場所に多いです。
逆に岩手県では0件と地方には少ない傾向にありますので、興味のある方は下記の厚生労働省の資料から確認してみてください。
特例子会社は大企業が障害者雇用をするための制度ですが、働く方にとってもメリットも多いです。
ここからは働くメリットとデメリットなどについてまとめていきましょう。
特例子会社で働くメリットとデメリット
まずは働くメリットから見ていきましょう
特例子会社のメリット
働く方が特例子会社を利用するメリットは大きく3つです。
障害の方が働きやすい環境が整っている
先程も述べた通り特例子会社は、障害のある方が働くことを想定して設立しています。
そのため、各障害に配慮した働き方が可能になります。
障害特性に関わらず、特性に配慮したサポートが出来る環境が整っています。
一般企業でここまで整っている企業はまずないでしょう。
・周囲の方の障害への理解がある
特例子会社では働いている方の7〜8割程度が障害のある方です。
そのため、お互いに障害を理解しながら働くことが可能となるのです。
理解が充実しているため、自分のペースをつくりながら働くことができます。
・キャリアアップが期待出来る
特例子会社では、部長、課長などの役職を任せる企業があります。
もちろん役職が付けば、その分給料が上がるなどモチベーションアップに繋がります。
特例子会社のデメリット
働く方が特例子会社を利用するデメリットも3つあります。
求人数が少ない
特例子会社自体が全国で579件しかないため、求人の数が少ない事や良い環境のため長年定着して働いている方も多いため、そもそも求人が出にくい状況です。
更に働く環境が良いことから倍率も高く、非常に狭き門であることは間違いありません。
一般企業に比べると給料が安い
2016年の少し前の情報ですが、野村総合研究所が調査した平均年収の結果がこちらになります。
ほとんどの方が250万以下という結果ということでした。
仮に年収200万だとすると、単純計算で月収は16万程度となります。
これは障害者雇用の平均年収は150万前後なので、平均から100万程度高い水準です。
また一般企業の平均は約400万程度なので、一般求人と比べると低めの水準となります。
障害者枠(オープン)で働くことを考えると高いが、障害者を隠して働く(クローズ)ことを考えると低いと言うことです。
スキルアップがしにくい
作業内容は先程も紹介したような軽作業であることが多く、特別なスキルが身につく機会は少ないです。
しかし正社員として働けるため、社会人としての経験値を積むという意味であれば有効な選択肢になるでしょう。
特例子会社はどんな人におすすめ?
ここまでメリットやデメリットをみてきましたが、どんな人におすすめなのかまとめましょう。
給与面に関しては、都市部の求人が多くある様な地域で考えると物足りないですが、地方など求人が少なく、最低賃金が引くような地域では高いと感じる事もあるでしょう。
見学などの受け入れ可能な会社も多いので、いろんな企業をみて自分がどんな働き方を希望するのかで考えると良いでしょう。
特例子会社の探し方
最後に特例子会社の求人の探し方を見ていきましょう。
特例子会社の求人は障害者専用の転職エージェントや転職サイト、ハローワークで掲載されます。
求人の出やすい時期などはなく、希望する企業に関しては常に求人動向の確認しておく必要があります。
検索のポイント
転職サイトなどでの求人検索のポイントは、あまり条件をしぼり過ぎないことです。
サイト内の検索の精度が高くないことも多く、条件をしぼり過ぎてしまうと予想より除外されてしまう事もあります。
条件は「勤務地」、「キーワード」を設定する程度でかまいません。
その他検索のポイントはこちらで解説をしています。
今回は「特例子会社」という縛りがあるのでキーワードに入れていきます。
今回は求人数が実績が障害者転職エージェントトップクラスである「 dodaチャレンジ 」「アットジーピー【atGP】 」から求人を見てみましょう。
dodaチャレンジ検索方法
まずは勤務地を設定します。
次にキーワードで「特例子会社」と入力します。
検索をクリックしてください。
令和5年5月時点では東京で14件
全国で見ても18件と今の求人としては少ないですね。
「dodaチャレンジ」一般でも大手のdodaが運営しているため求人数、実績ともにトップクラスです。
とりあえず登録しておいて損はない転職エージェントの一つです。
atGPの検索方法
キーワードで「特例子会社」とします。
一度求人検索をクリックした後
検索条件の変更から勤務地も設定します。
同じく令和5年5月時点では東京で18件
全国で25件でした。
しかし見てみると特例子会社ではない求人もヒットしており、実際は東京14件、全国で19件でした。
atGPエージェントはdodaチャレンジに次いで求人が多い転職エージェントです。
そのためdodaチャレンジと合わせて登録することで、大体の求人を網羅できるため
こちらも併せて登録することをおすすめしています!
求人数に関しては、タイミングにより今後増える事もありますので、定期的に確認する事をおすすめします。
転職エージェントに登録している方なら自分で調べなくても、求人が出た段階でキャリアアドバイザーから提示してもらえますので、ただ待っているだけでもOKです。
さらに転職エージェントでは人気求人を公開せずエージェント利用者に提示する方法を取っているため、エージェント登録をすることでより多くの求人を提示してもらえる可能性があります。
まだ登録していない方は、ぜひ登録してみてください。
転職エージェントの詳細を知りたい方はこちらから↓↓
まとめ
今回は特例子会社についてまとめました。
働きやすさや安定を求めるなら特例子会社はトップレベルです。
求人が出にくいですが、待ってみる価値はあるのではないでしょうか。
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