障害者の就職活動を進める際の特徴は、「見学」や「体験」を行うことにあります。
しかし障害者雇用での就職活動に慣れていない方は、どんなことをするのかよくわからないと思います。
今回は見学や体験の目的やポイントをお伝えしていきます。
障害者雇用に関しての概要はこちらをご覧ください。↓
それでは行きましょう!
障害者雇用の見学や体験
障害者雇用を進めるときに就職前に職場の見学や就労の可能性のある業務を一定期間体験することが出来ます。
しかし見学、体験は必須ではなく、任意で行われることになります。そのため依頼をしても断られたり、企業から求められることもあります。
見学は30分から1時間程度で、職場の環境や働いている様子を見て企業担当者へ質問を中心に実施
体験は1日〜3ヵ月未満で実際に仕事を体験して自分に出来る仕事なのかを見極めをします。
体験中は交通費を含め賃金はありませんので生活状況を考えながら期間を検討する必要があります。
障害者雇用における見学や体験の目的
見学や体験の目的は業務内容、職場環境、職場の人間関係を応募前にイメージをつけて余計な就職をしない事です。
どういうことか解説をしていきます。
ハローワークや求人サイトで出ている求人票では仕事内容の欄に以下のような書き方をしていることがあります。
・ピッキング作業
・部品の組み立て・点検
・梱包作業
・事務補助
検索の段階であればこういったこの内容を見て、興味のあるなしで判断します。しかしこれでは大体の仕事内容は分かっても、何を作っていて、何の補助をしているのかなど具体的なことはわかりません。
就職を考えるのであればもっと具体的に「仕事内容」、「環境」、「人」を知ったうえで検討したいと思うのは自然だと思います。
実際こうした求人へ入社したあとこうしたトラブルが起こることがあります。
そのため選考の前に見学で職場の環境や仕事のイメージをつけ、体験で仕事をして実際に出来る内容か、人や環境になじめそうなのか見ることで入社してからのトラブルを回避することに繋がります。
見学や体験を行う目的は説明をしてきましたが、ここからは見学や体験を行うことでのメリットデメリットをご説明します。
見学・体験をすることでのメリット
見学や体験をする事でのメリットは5つです。
仕事のイメージが具体的になる
前述しましたが、仕事内容だけでなく環境や人を実際に体験することで長く続けるためのストレスになりそうな要因を身を持って感じることが出来ます。
その結果、入社前により具体的なイメージもって応募の検討が出来るようになり、余計なトラブルや退職を減らすことに繋がります。
入社前に仕事を覚えることが出来る
そのまま入社が決まった際、体験中に仕事もある程度覚えていれば即戦力として相手側にも重宝され、自身も働きやすくなります。
仮に仕事を覚えていなくても経験をしたことは、同じタイミングで入社した方よりアドバンテージがある状態で勤務が出来るので気持ち的にも楽になるのではないでしょうか
チャレンジ出来る機会になる
体験というチャンスがあることで様々な職種や業種にチャレンジすることができます。
例えば
もともと事務職で5年働いていたが、ものを作る仕事にチャレンジしてみたい。
上記のような希望があった場合
ものを作る仕事をしたことがないことから、実際に出来るのか不安感が出てくる方もいますが、体験をすることで、自分に向いているか試すことが出来るのです。
体験をして向いていなければ応募を辞退するだけですので、興味のある仕事を積極的にチャレンジするが出来るのです。
アピールするタイミングが増える
通常の選考より、企業と接するタイミングが増えます。そのため頑張っている姿がそのまま企業への評価になります。特に作業には自信があるが、話すことが苦手という方には特に有利になります。
失業保険や生活保護をもらいながら活用出来る。
失業保険はお給料をもらってしまうと減額もしくは受給が出来なくなりますが、体験ではお金は一切発生しないため失業保険、生活保護の受給要綱には全く関係ありません。
なので受給しながら体験を行うことができるのです。
見学や体験をすることでのデメリット
見学や体験をすることでのデメリットは3つあります。
選考に時間が掛かる
見学や体験を含めると就職活動に時間が掛かることになります。
一例を見てみましょう。
日程の調整を含め見学や体験だけで2週間程度使い、その結果全体の選考に約1ヵ月半掛かってしまうのです。
今回の例はかなり早いほうで実際は日程調整や選考中の連絡を待つ期間はもっと長いことも多いです。1件応募するのに2か月程度は見ておいたほうが良いでしょう。
転職時には活用しにくい
転職では会社に言わずに転職活動をしている方がほとんどです。
そのためお休みを取って見学や体験の期間を確保することが難しいかとおもいます。
特に体験は3日~1週間程度は最低かかるため、半日で済む見学しかできないこともあります。
ですが見ないより見たほうが良いので、見学だけでもする事をお勧めします。
給料、交通費がもらえない
本来であれば入社していれば教えてもらう段階から給料が発生します。しかし体験中では周囲と同じ仕事をしているのにも関わらず給料はもらえません。
また交通費も支給がないので余裕を持った就職活動が必要になります。
ここまで応募者目線でのメリットやデメリットについてお伝えしてきましたが、企業側にもメリットはたくさんある制度です。まずは企業に問い合わせをしてみることから始めてみましょう。
ではどんな方が利用するべきかまとめていきます。
見学・体験を活用するべき人
ここまで見学や体験のメリットやデメリットをお伝えしてきましたが
ではどういう場合に活用するべきなのかをお伝えします。
結論:応募先がOKなら全員使ったほうがいい!!
私の結論はこれ一択です。
デメリットよりメリットのほうがどうしても大きいので是非活用してほしいです。
しかし例外もあります。
見学や体験の活用を検討する場合
以下のような場合にはよく考えてからの利用を進めることをお勧めします。
この二つに当てはまる場合は見学や体験を検討したほうが良いでしょう。
デメリットでも述べたように「選考に時間が掛かる」、「給料出ない」ことはどうしても発生します。
選考に時間を掛けたくない、生活がギリギリである場合に関してはよく検討してから活用しましょう。
見学や体験はどうやって活用するのか
ここまで体験や見学の活用を進めてきましたが、どうやって見学や体験をするのか最後にご説明します。
見学や体験をする唯一の方法は企業に問い合わせることです。
しかし個人で求人サイトから問い合わせるのはかなりハードルが高いので2つの方法をご紹介します。
1、転職エージェントやハローワークなどから問い合わせてもらう
転職エージェントやハローワークは企業との間を取り持ってくれるので、担当者に見学をしたい旨を伝えるだけで交渉をしてもらえます。
しかし下記の図のように別で見た求人に関しては対応してくれないので注意しましょう。
2.就職活動サポート機関を活用する。
就労移行支援事業や就業・生活支援センターなどを活用することでどこの求人であろうと交渉をしてもらえます。
ただし、就労移行を活用する場合は訓練事業所なので就職をしたい方は就業・生活支援センターを活用しましょう。
サポート機関について詳しく知りたい方こちらから↓↓
まとめ
職場の見学や体験は手間に感じたり、体験中は給料が出ないため無駄に感じると思います。
しかしこれをしないことで退職をするリスクを大きく回避することに繋がります。
ぜひ活用出来る環境にある方は活用してみてください。
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