【障害者雇用】応募者の採用を決めるポイントを4ステップで解説

企業の障がい者雇用

障害者雇用での採用は障害についての理解をしなくてはならない分、通常より難しいこともあります。

もちろん面接する側は、事前に障害の特性などを調べておく必要があります。とはいえ実際の症状や特性は人によって変わってしまうことも事実です。

そのため障害者雇用の選考で重要なのは、相手がどんな特性を持っているのかを採用の流れの中で見極めることです。

今回は採用手順に沿ってポイントをまとめていきます。

この記事の概要
  • 選考では見学、体験を盛り込むことで定着率が上がる
  • 選考のポイントはどれだけ応募者の障害を理解できるか
  • 合理的配慮はどれだけ会社が許容できるかによって大きく変わる
  • 採用よりも定着させることが難しい

障害者雇用の選考手順

通常の選考では「書類選考」と「面接」を基本として選考進められますが、

このサイトの中では、書類選考と面接に加えて見学や体験をすることを推奨しています。

そのため今回の採用のポイントは見学~面接までの4つのステップに分けて解説をしていきます。

今回のポイントと各企業や担当の考えに当てはめて、検討の参考にしてもらえると幸いです。


ステップ1 見学

どんな仕事内容なのか、どんな職場環境なのかを応募者に見てもらうことです。

目的は応募者に求人票ではイメージ出来ない部分を見て、ミスマッチを防ぐことが出来ます。

見学時の注目ポイント
  • 挨拶身だしなみなどのビジネスマナー
  • 話を聞く姿勢

挨拶、みだしなみなどのビジネスマナー

挨拶や身だしなみは障害者雇用であっても基本です。初対面で挨拶が出来るのかなど、基礎的なビジネスマナーを見ることが出来るため注目して観察をしましょう。

ただし、服装に関しては金銭事情や家庭事情が複雑なケースもあるため、見学時ではスーツを用意出来ないこともあります。

話を聞く姿勢

相手の方を向いて聞くことが出来ているか、メモを取れているかなどを注目してみましょう。落ち着きがない方や話の理解度が低い方もいます。仕事の内容の伝え方でどの程度理解出来るのか把握することが出来ます。

見学の段階では第一印象を見ることが出来ます。見学は応募者にとっても、見極めの段階であり、応募しない可能性もありますのでここでは相手の印象を把握するくらいで良いでしょう。


ステップ2 体験

実際に1日〜1ヵ月程度、仕事をしてもらうことです。

目的は実際に作業をしてみることで作業の可否を判断出来ることにあります。

体験では本人の様々な側面を見れるため、多くの情報を得ることが出来ます。

  

注目ポイント
  • 出勤の可否
  • 業務能力の適性
  • 指示の理解

出勤の可否

通勤の手段を含め、出勤が問題なく出来ているかを確認します 

環境に慣れることが苦手な方には、体験中に通勤が出来なくなることもあり、実際2週間の体験を予定していたところ、1週間で通勤が出来なかった事例もあります。

業務能力の適性

業務能力は面接では分かりません。何をどの程度出来るのかを把握することが重要です

そのため体験では入社後と同じ環境になる様に調整することで、体験の意味を成すことが出来ます。

その環境の中で、仕事の内容、時間、職場環境が会社に合っているか確認していく必要があります。

指示の理解

指示や指摘に対してどの程度理解が出来るのかも確認ポイントです。体験中にどんな伝え方であれば、どの程度伝わるのかを見ていきましょう。

応募者にとって体験は自分に出来るのかを見る最終確認です。企業としても会社の働き方に適応できるか見極めていきましょう。

また、体験までしている段階で可否を決めてしまう企業もいるくらい重要なステップです
障害の特性や症状は面接などのコミュニケーションで理解することは非常に難しく、就労の訓練を行う就労移行支援事業所でも、1〜2ヵ月程度様子を見て特性などを把握していきます。

そのため少しでも理解を深めるためには会う回数を増やすこと、実際に作業をしてもらうことが重要なポイントになることをしっかり理解しておきましょう。

見学や体験については、その必要性など過去に記事を上げておりますので
詳細を確認したい方はこちらをご覧ください↓↓


ステップ3 書類選考

書類選考に関しては通常の応募書類に加え、障害についての特性をまとめた資料と障がい者手帳の写しを必ずもらうようにしましょう。

注目ポイント

応募書類に障害特性の記載がある可能性がある。

職務経歴書や別紙として自身の障害特性、症状、配慮してほしい事項などをまとめた資料も一緒にもらうと良いでしょう。事前に送ってもらう場合は、面接前に一般的な障害の特性などは事前に調べておくことをお勧めします。

事前に見学や体験をしない企業にとっては、応募者の最初の情報になります。障害についてあまり詳しくない方は障害名を見ると印象だけで判断してしまいがちですが、面接をせずに決めることで戦力を逃すことに繋がります。応募人数が少ない場合は、出来るだけ面接してから決めることで障害の状態は理解しやすくなります。


ステップ4 面接

面接は一般的な質問と合わせて、障害について確認をしましょう。
聞いておいた方がいい質問を3つ挙げます。

注目ポイント
  • 退職理由
  • 障がいの症状と特性
  • 配慮してほしい項目

退職理由

一般の面接においても退職理由は必ず確認をすると思います。障害枠においては症状が出るきっかけや配慮したほうがいい事が明確になるため、環境を作るにあたっての重要なヒントになります。

障がいの症状と特性

これは障害者雇用ならではの質問です。障害の特性は「十人十色」です。調べて出てくるような一般的な特性と応募者の特性が合わないこともあります。そのためどういった症状がどういった場面で出てくるのかなど詳しく確認する必要があります。

配慮してほしい項目

環境を整えるにあたって、どんな配慮をする必要があるのか確認をしておきましょう。
その配慮は企業にとって許容出来るものなのか、折衝できるものなのかを知ることが重要です。

仮に週30時間の求人に、体力的な問題で20時間で雇用してほしい応募者が来た際

時間短縮の可否、最初は短時間、ゆくゆくは30時間と伸ばせるのかなど、 応募者も企業も歩み寄れる範囲での配慮事項なのか確認しましょう。

最後にご理解いただきたいことは採用より定着させることが非常に難しい事です。

各ステップでのポイントを確認する。この手間をかけることで、採用後の職場の定着率は各段に代わってきます。

さらにもう一つ定着率が上がることとしては、応募者に支援機関が付いているかどうかです。


就労支援機関の役割

応募者のなかには就労をサポートする支援機関が付いていることがあります。

具体的な支援機関として就労移行支援事業所障害者就業・生活支援センターなどがあり

障がいのある方の就職のサポートをしている機関となります。

支援機関のサポート内容
  • 見学、体験、面接などの日程調整と同行
  • 雇用条件の確認や折衝
  • 本人の情報提供
  • 職場定着のサポート

などをしてもらえます。

こうした支援機関がついていることで、選考がスムーズに進み、職場定着率が上がるメリットがあります。
障害者雇用に慣れている企業であれば、支援機関を応募条件に入れていることもありますが、
とはいえ企業としては支援機関の有無で応募を断ることは出来ません。

またデリケートな問題でもあり、無理に支援機関を利用をさせることも難しいです。

そのため私が企業側の支援としてコンサルタントをしておりますので最後にご案内致します。


障がい者雇用コンサルタント

私が行っている内容は全国の企業を対象とした障がい者雇用の企業支援です。

先ほどご説明した通り、支援機関の有無にかかわらず、職場定着の支援をしております。もちろん支援の必要に応じて地域の支援機関との連携や調整も行っています。

さらに新たな求人の作成、面接に同席をしてアドバイス、助成金の申請サポートや代行など企業向けに障害者雇用に対しての手間や不安を軽減をしてハードルを下げるお手伝いをさせていただきます。

支援機関はあくまでも障害をお持ちの方向けの支援機関であるため、企業アドバイスに関しては専門分野ではありません。企業専門に障がい者雇用に関して全面的にサポートしていきます。

今回記事では書いていない内容もお伝え出来ますので、企業向けの障害者雇用コンサルタントをぜひご検討下さい。

詳細はこちらから↓↓


まとめ

この記事のまとめ
  • 選考では見学、体験をすることで応募者をより知ることができるため定着率が上がる
  • 選考のポイントはどれだけ応募者の障害を理解できるか
  • 合理的配慮はどれだけ会社が許容できるかで大きく変わるため、基準を定める必要がある
  • 採用よりも定着させることが難しいため、採用の段階でポイントを押さえておく

今回は選考のステップに合わせてポイントをお伝えしました。
今後障がい者雇用を進めていくにあたり、採用の基準が曖昧でとりあえず採用したら失敗をした企業も多数見てきています。

逆にしっかり準備をしていた企業は失敗も少なく、失敗しても次につなげることが出来ています。

手間を惜しまず、対応しましょう。
また手間を惜しむならご連絡をお待ちしております。

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